「マクロビは体に悪い」とか「宗教」とか。
なぜこれほどマクロビが批判されるのかをずっと考えていましたが、その理由が分かりました。
マクロビオティックとは?
マクロビオティックとは、食事の方法の一つで、江戸から明治にかけて活躍した石塚左玄という医師が理論を完成させました。
石塚は、日本の農家の伝統的な食事が、人間の体のルールと自然のルールに従っており、医学的にとても優れていることを証明したわけです。
石塚の指導の下、生まれつき心臓に障害を持っていた桜沢如一が、食事療法で心臓障害を克服し健康体になったことで、そのすばらしさを広めようと日本で活動しました。
しかし、当時の日本人にとっては、あまりにも当たり前の食生活だったため、桜沢は日本で広めることをあきらめました。
日本での活動をあきらめた桜沢は、海外に石塚の理論を広めようと思い立ち、シベリア鉄道に乗り、ヨーロッパに渡りました。
ヨーロッパでは桜沢が広める石塚の理論を「すばらしい」とたくさんの人達に受け入れられました。
そして、フランスで石塚の理論を「マクロビオティック」という名称に命名されたのでした。
桜沢はフランスでは名誉ある日本人として尊敬されています。
その後、桜沢のお弟子さんたちにより、世界中にマクロビオティックは広まりました。それからだいぶ後になって、日本に入ってきたのです。
日本にマクロビオティックとして入ってきたときには、日本の食習慣も様変わりしており、昔ながらの食生活に戻ると言うより、新しい理論を実践する食事スタイルという認識になっていました。
つまり、マクロビオティックは、元々は昔の日本人の食事スタイル。昔の日本人は、陰陽の法則などの理屈など知らなくとも、自然に親たちから教えられた通りにしていて、それで充分元気だったのです。
元々日本の伝統食品なのに、マクロビはなぜココまで批判されるのか?ずっと不思議でした。
マクロビオティックが批判される理由
私は日本の伝統食生活を送っていて、マクロビについてはほとんど知らないのですが、マクロビオティックを実践していると認識されることが多々あります。
「体に悪いよ」と言われたことは何百回とあります。
そしてマクロビオティックを実践している人たちにもたくさんお会いしました。
みなさん、生き生きとして健康で自立的な精神を持っています。マクロビオティックが人生に大いに役に立っている人たちですね。
ただ、希にマクロビオティックやらない方がよいんじゃないの?と思う人たちもいます。彼らは、マクロビオティックをしていることで人生を暗くしている感じでした。
そして、マクロビオティックを止めた方がよいんじゃないの?と思った人達の共通点を発見しました。
まじめで盲信的
マクロビオティックの理論通りに実践しようと真面目になるあまり、視野が狭くなってしまう傾向があるひとたちがいます。
彼らの考え方の傾向として、正しいか間違っているかで物事を判断しているようです。
正しいか間違っているか。
この二つが基準なので、「マクロビオティックは正しい」という判断が入ってしまうと、「マクロビオティック以外は間違っている」と思いこみ排除しようとします。
現代社会で、マクロビオティックを実践する人達は圧倒的に少数派。
付き合いも悪くなり、家族の中では孤軍奮闘し、孤立していってしまうのですね。
するとますます正しいことに固執して心まで堅くなってしまう。
そうなったら、「マクロビオティック」の良さを全く生かせていません。むしろ、害になっています。いったん、食べ物云々よりも、正しさに固執してしまう心を見直して行った方が良いです。
しかし、こういう人達は、精神的に追いつめられるとその原因をマクロビオティックのせいにして、今度は「マクロビオティックは間違っている」という発想になります。
そして、「かつてマクロビオティックを実践していたけど徹底的に批判している」人ができあがるのです。
マクロビオティックでガマンしている
マクロビオティックは制限があります。制限を守ろうとすると、ガマンを強いられることも出てきます。
たとえば、おいしそうなお肉を食べたい。だけど、マクロビではダメなので食べられないからガマンする。
という体験が積み重なれば、体が何が必要で何が必要でないのかセンサーが働かなくなります。
体は自分の必要なモノを知っていますが、制限でガマンさせられると体のセンサーがどんどん鈍くなってしまうのです。
それゆえ、体は衰弱し、元気を失い、弱々しくなってしまいます。
マクロビオティックの本来の良さを活かすには食事だけでなくマインドセットも必要
マクロビオティックを実践して本来の良さを活かすためには、マインドセットと本質を知ることが大事だと思っています。
マインドセットは、二元論的な判断をする頭の切り替えが必要ですし、本質は、生命と自然のつながりを深く知ることで、「食べる」という本来の意味が腹に落ちて行くのではないかと考えています。
今の時代、健康情報が氾濫。「減塩がよい」や「塩分が足りない」、「ご飯は体に悪い」「ご飯は体によい」などの真逆の情報が錯綜し、健康情報を鵜呑みにしていると、本質が見えなくなっている危険な状況です。
元々日本人は数千年の長い年月をどうやって健康的に過ごしてきたのか?という私たちの先祖の生活を今一度見直して見ても良いのではないでしょうか?