そんな私をだますなんて占い師にとっては赤子の手をひねるよりも簡単だったに違いありません。
私はどうやって占い師にだまされたのか?
占い師にだまされたエピソード
勤務先が渋谷だった頃。私は仕事に行き詰まっていました。
当時、営業をやっていたのですが、その仕事が全く向いていないのです。
その占いコーナーは二人くらいの占い師が交代で来ていました。
そのうち一人、A占い師は某占いの開祖の末裔だと自分で語っていました。
初めて占いをお願いしたとき、そのA占い師から衝撃の事実を告げられました。
「君は運命天中殺という、生まれてから死ぬまで一生天中殺という運命を背負っている」
「運が悪い状態が一生続く」
などと宣告されたのです。
ショックでしたが、ある意味納得できたのです。
なぜなら、今までの運の無さや人生がパッとしないのは自分の生まれながらの運命のせいだと分かったからです。
それから私はそのA占い師に相談を持ちかけるようになりました。
「仕事を辞めたいけどいつ辞めたらよいのか?」
「私はいつ結婚するのか?」
「どんな仕事が私に向いているか?」
「この人との相性はどうか?」
など、一回3000円くらいで相談していたのです。
それから数ヶ月したある日、A占い師は私にこう持ちかけました。
「今度、君の背負っている運命をお払いしてもらうためお札をつくってやるよ」
「ただし、君の運命をはねのけるためにこちらも相当の覚悟とエネルギーを使う」
「だからお札もそれ相応の代金をいただく」
「だけど、君も一人暮らしで気の毒だから、代金を押さえて残りは出世払いで結構だよ」
私はA占い師に心酔していましたから、喜んでお札をつくってもらうことにしました。
A占い師から提示されたお札の代金は10万円。
私はなけなしのお金を払ってしまったのです。
そして、無事にお札とやらを手に入れたのですが、その後A占い師の姿を見ることはなくなってしまいました。
10万円もした厄除けのお札を手に入れたのに、人生は何も変わりませんでした。
だまされたと気づいたのはそれから数年してから。
領収書も何も手元に残っていませんでしたから、泣き寝入りをするしかありませんでした。
占いを信じていた頃の心理状態
今、振り返ると当時は相当気持ちが病んでいたんだと思います。
また、依存的な性格で他人任せ。
自分の不運を運命のせいにして自分は悪くないと考えていました。
自分の人生は運命に操られ自分では何もできないと頑なに信じていました。
かなり痛いです。
絶対に運命なんて良くなるはずはありません。
不運や不遇を運命のせいにすればするほど運から見放され、自分の人生を素性も知らない占い師の判断にゆだねるのはかなり危険な心理状態でした。
それ故に、効果のほどが不確かなお札に10万円も支払ってしまったのです。
占いを易々と信じてしまう人は私のようにあっさりとだまされてしまいます。
また、身ぐるみはがされたとしても、気がつかないで別の占い師にまただまされてしまうでしょう。
他人任せ、依存的な人生に気づかないまま、いつまでも被害者意識を丸出しにして生きていると、何度も同じような被害に遭ってしまいます。
占いに頼る心理の裏側にある、他力本願、依存的な精神状態に気づいて一刻も早く目を覚まさないと運命は悪い方に流れて行ってしまいます。
占いを信じる、信じないは紙一重
占いは元々戦の戦略を立てるために統計学として重用されてきました。
占いは頼るものではなく、戦略的に使うものなのです。
占いは依存的な精神状態で使うのではなく、自立的な精神状態でよりよく人生をいきるために使う道具に過ぎません。
だから、同じ占い結果が出たとしても、依存的に使うか自立的に使うかで全くその後の人生が変わります。
依存的な人は一喜一憂するだろうし、自立的な人はその結果から今後の人生の戦略を立ててよりよく生きるために使います。
占いは結果が全てではなく、その結果に対するリアクションで人生が変わるものなのですね。
もしも占いで「凶」が出たとしても、その結果を自分の人生にどうやって生かしていくか?